49.備え付けのエアコンは全部同じ?「設備」と「残置物」の確認
内見でお部屋にエアコンが付いていると、「新しく買わなくて済むから助かる」と感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、もともと設置されているエアコンでも、契約上の扱いが同じとは限りません。物件の「設備」として貸し出されるものもあれば、前の入居者が置いていった「残置物」として説明されるものもあります。
この違いは、故障したときの連絡先や修理費用、交換・撤去の方法に関わります。
今回は、エアコン付きの賃貸物件を検討するときに知っておきたい、「設備」と「残置物」の違いや確認ポイントをご紹介します。
「付いていること」と「設備であること」は別
お部屋にエアコンが設置されていても、見た目だけでは契約上の扱いを判断できません。
例えば、リビングのエアコンは貸主が設置した設備、寝室のエアコンは前の入居者が残したもの、という場合もあります。
「エアコンが2台あるから、どちらも同じ条件で使える」と考えず、それぞれの扱いを確認することが大切です。
物件情報や内見時の説明に加え、契約書・重要事項説明書・設備表などに、設置場所や台数、修理に関する条件がどのように記載されているかを見ておきましょう。
「設備」のエアコンとは?
設備としてのエアコンは、貸主が賃貸住宅の一部として提供するものです。
通常の使用や経年劣化によって故障した場合は、原則として貸主側が必要な修繕に対応します。ただし、入居者の不適切な使い方などが原因の場合や、修繕について有効な特約がある場合などは、費用負担が異なることがあります。
また、「設備だから、故障したら必ず新品に交換される」というわけではありません。不具合の内容や修理の可否などを確認したうえで、対応が検討されます。
調子が悪いと感じたときは、まず管理会社や貸主に連絡し、状況を伝えましょう。
「残置物」のエアコンとは?
賃貸物件の説明でいう「残置物」は、前の入居者などが設置し、退去後もお部屋に残されている物を指して使われます。
エアコンのほか、照明器具やガスコンロなどが対象になることもあります。
残置物として使用を認める一方、貸主は修理や交換を行わないという条件が設けられている場合があります。ただし、「残置物と呼ばれているから、修理費用は必ず入居者負担」と一律に決まるものではありません。
所有関係や契約内容、説明・合意の状況などによって判断が変わるため、呼び方だけでなく、具体的な取り決めを確認する必要があります。
「サービス品」という説明にも確認が必要
内見時に、「このエアコンはサービス品です」と説明されることもあります。
一見すると、無料で使える便利な物という印象を受けますが、その言葉だけでは故障時の対応までわかりません。
次のように、具体的に聞いてみましょう。
- 契約上の設備に含まれますか?
- 故障した場合は、誰に連絡すればよいですか?
- 修理や交換の費用は、どのような取り決めですか?
- 使用しない場合や取り外したい場合は、どうすればよいですか?
- その条件は、契約書のどこに記載されていますか?
説明を聞いて理解した内容と、書面の記載が一致しているかも確認しましょう。わからない点は、契約前に質問しておくことが大切です。
入居前後には、動作と付属品を確認
契約上の扱いと併せて、実際に使える状態かも確認したいポイントです。
内見時に試運転を希望する場合は、担当者に相談しましょう。電気の契約状況や室温などによって、その場では十分に確認できない場合もあります。
確認できなかった項目は控えておき、入居後の早い段階でチェックするとよいでしょう。
- リモコンがあり、操作できるか
- 電源が入り、運転するか
- 冷房・暖房が使用できるか
- 異常な音や水漏れなどがないか
- フィルターや本体に目立つ汚れ・破損がないか
- 取扱説明書や型番を確認できるか
国民生活センターも、入居時には備え付け設備の動作を確認し、写真やメモで記録することを勧めています。気になる点があれば、日付や状況がわかる形で残し、早めに管理会社へ伝えましょう。
故障したときは、状況を整理して連絡
エアコンが動かない、冷えにくい、水が漏れるなどの不具合が出たときは、管理会社や貸主へ連絡しましょう。
その際、次の情報があると状況を伝えやすくなります。
- どの部屋のエアコンか
- いつから、どのような症状が出ているか
- メーカー名や型番
- リモコンや本体に表示されたエラーコード
- 症状がわかる写真や動画
修理業者を自分で手配する前に、依頼先や費用負担について確認しておくと、認識の食い違いを防ぎやすくなります。
焦げたような臭いや煙など、安全に関わる異常がある場合は使用を中止し、無理に運転を続けないようにしましょう。
残置物でも、自由に処分してよいとは限りません
「設備ではないなら、自分で処分して交換してもよい」と考えるのは早計です。
残置物であっても、誰の所有物なのか、撤去や交換に誰の承諾が必要なのかを確認する必要があります。
交換を希望する場合は、工事の内容に加え、取り外したエアコンの処分方法、撤去・処分費用、新しいエアコンの退去時の扱いまで相談しておきましょう。
エアコンの取り付けや取り外しには専門知識が必要です。自分で作業せず、専門業者へ依頼しましょう。[参考:東京都「エアコンの取付けや取り外しは専門知識を持つ人に依頼を!」]
自分で購入したエアコンは、退去時のことも相談を
入居中に自分でエアコンを購入・設置する場合は、工事前に貸主や管理会社へ確認しましょう。
設置場所や配管穴、電源、室外機置き場などによって、希望する機種をそのまま取り付けられるとは限りません。
また、退去時に取り外して持ち出すのか、残すことについて別途合意するのかも確認が必要です。まだ使える物でも、次の入居者のためにと自己判断で置いていくことは避けましょう。
工事や退去時の条件については、メールや書面など、後から確認できる形で残しておくと安心です。
契約前に確認したいチェックリスト
エアコン付き物件では、次の項目を確認してみましょう。
| 確認項目 | 聞いておきたいこと |
|---|---|
| 契約上の扱い | 設備なのか、残置物など別の扱いなのか |
| 対象の台数・場所 | どの部屋のエアコンが、どの扱いなのか |
| 動作状態 | 不具合の有無や、入居前に対応する予定があるか |
| 故障時の対応 | 連絡先、修理の手配方法、費用負担の取り決め |
| 交換・撤去 | 承諾の必要性、工事・処分費用の扱い |
| 退去時の対応 | 残す物・撤去する物の取り決め |
| 書面の記載 | 説明された条件が、どこに記載されているか |
「エアコン付き」の一歩先まで確認しましょう
備え付けのエアコンは、入居時の準備や出費を減らせる便利な存在です。ただし、設備として提供されているのか、残置物として残されているのかによって、確認すべき条件が変わります。
大切なのは、呼び方だけで判断せず、故障・交換・撤去のときにどう対応するのかを具体的に把握することです。
お部屋探しでは、エアコンが「あるかどうか」に加えて、「どのような条件で使えるか」まで確認してみてはいかがでしょうか。

